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Shun Komiyama “call, overhaul, and roll”小見山峻「call, overhaul, and roll」

2022 Book / Editorial

写真家の小見山峻による写真作品集。

作者の私的なバイク旅の記録を収めている。フィルムで撮影された写真はスナップ的であり、普遍的な美しさや孤独の自由さを表現したさまざまなカットで構成されている。写真によって表現の方向が異なることを逆手に取り、あえて余白寸法を固定せずに一定のパターンの中で自由に配した。途中には給油したガソリンスタンドなどのレシートを複写したページも挟まる。

作品集の表紙は、作者のアイデアを取り入れたバイクのホイールのような円形の文字配列。表紙のみに空エンボスが入っており、回転の軌跡をイメージさせる。裏表紙にも同じようなデザインが入っており、開くとバイクの二輪となる。バイクに取り付けたコンパスの円形も重なる。

背表紙には目的地となる札幌へのはやる気持ちが写されたカットから、サッポロビールの星を取り出した。コンパスだけを頼りに北に向かう旅の拠り所としての北極星も示している。

写真集の色は、作者が乗っていたバイク(ホンダのトリコロール)の配色から引用している。布地のような用紙に特色一色刷りのため強く擦れると印刷が取れてしまうが、旅を通して履いていたジーパンのように、本を持つ人それぞれの生活の中で味わいが出てくると思われる。

 

(書誌紹介より)

効率の良さが圧倒的正義になりつつある現代社会。その中で「迷う」ということのポジティブな意味を追いかけ、実際に自らが、ならば迷うだけ迷ってみせよう、という決意のもと小見山の住む横浜から札幌まで、バイクに跨り、彷徨い寄り道を繰り返しながら走り抜けたロードトリップの一部始終。閉塞した社会からの脱出、死別した親友への葬い、徹底的な物理的孤独への願望、そしてバイクだからこそ感じられる風の肌触りへの欲求…様々な感情に後押しされ飛び出したこの旅は、写真家ではなく一人の人間としての逃避行であり、決して撮影をすることは目的としてはいなかった。結果、記録として残していたこれらの写真たちは、これまで以上に純粋な好奇心を浮き彫りにするものたちとなった。

粛々と積み重ねられてゆく旅の景色に、音楽家TAIHEIによる書き下ろし楽曲、音楽ジャーナリスト有泉智子とファッションデザイナー吉田圭佑による寄稿文が彩りを添える。

〈書誌情報〉 A5版 ハードカバー上製本    / 216P(図版134点+テキスト6p)

ISBN 978-4-9911606-6-0 C0072

限定1000部

写真:小見山峻

テキスト:有泉智子(MUSICA編集長、音楽ジャーナリスト)、吉田圭佑(KEISUKEYOSHIDA デザイナー)

音楽:Taihei Sakurauchi

デザイン:泉 美菜子(PINHOLE)

印刷:藤原印刷株式会社

製本:ダンクセキ 箔押し:コスモテック